納車までの流れは以前書いた通り。以前っていつだ……?
というわけで納車から3年、5万km走った人による感想など。
ただし、次の条件下における話。
- Long Range 2021年3月仕様(ギガ上海一発目)
- 自宅充電が可能
- 大阪
- 平日の走行は40km〜
以下文字だらけ。別に読まんでもええで。
目次
走りについて
基本的にはよく出来ていて、1.85tという車重をあまり感じさせない軽快な走りをする。
モーターだけあって0からフルトルクが出せるので、発進加速がとても良く変速もないので非常にスムーズ。
加速レーンの短い場所などではその加速力を活かしてスムーズで素早い合流が可能。阪神高速とか首都高みたいな場所は特にな……
ブレーキホールドモード(基本的にコレ)に設定すると完全なワンペダルドライブが可能になりブレーキペダルを踏むタイミングが起動時と急制動時くらいしかなくなる。踏み変えがほぼ無くなるわけだがこれがめちゃくちゃ楽。
アクセルペダルを踏むと加速、離せば回生ブレーキが効き始めそのままスムーズに停車して自動的にブレーキをかけてホールドする。もちろん下り坂でもペダルを離せば止まる。ラジコンみたいなもん。
ブレーキホールド時にアクセルペダルを踏めばすぐにブレーキホールドは解除され引っかかりなくスムーズに加速が始まる。
車重があるためサスはさすがに硬めの設定で、段差があると少々強めの突き上げがあり車重の重さが感じられる。とはいえバタつくこともなくスッと収まりどちらかといえばスポーツ車寄りな感じか。
硬めのサスと低重心なのもあってかステアリングの応答は非常にクイックで、入力に対して素早く反応してくれるため楽しい。ロックtoロック2.0回転なのもあると思う。
ただし路面からのフィードバックは弱い。逆に言えば深く意識しなくても簡単に走ってくれる。山盛りの電子制御に任せよう。
使い勝手(サイズ感)について
まず物理的な車体サイズによるところだが、アメ車であることを忘れてはいけない。現状Tesla最小サイズではあるものの全幅1,849mmある。とはいえ最近のクルマはどれもデカいので別にデカすぎるということはない。普通にアルファードとかクラウンセダンのほうが全長全幅がデカい。
ただし最小回転半径が約5.8mあり同サイズの車と比べると少々大きめなので狭い場所では苦労するかもしれない。とはいえロックtoロック2.0回転のステアリングとシフト切り替えの楽さもあって切り返しは然程苦ではない。
車内空間はセダンにしては広い。前席は間違いなく快適でシートの可動範囲が非常に広く、またホールド性も高い。
後席は大人3人が座るとさすがに少々狭いが、近場であれば大丈夫な程度。プロペラシャフトが無いのでセンターもフラットになっていて中央席にも足元に人権がある。が後席の角度調整は出来ないのでそのあたりはセダンである。
その一方でルーフがガラスになっている関係上、かなり開放感を感じられる。ちなみに前席に座ってるとそこまで視界に入らないのであまり関係がない。夏場に暑いくらい。
積載量はセダンにしては多く、いろんなところに収納場所がある。エンジンは無いのでフロントにもトランクがあるぞ!
一方でグローブボックスは小さい。どのくらい小さいかというとA4が収まるファイルが入らない。車検証類とお手入れ用のクロスが入る程度のもんかな。頻繁に取り出すモノを入れる場所ではないことは間違いない。
トランクはトランクスルーになっていて後席を倒すと広大な空間が出現する。常時A/CオンにできるEVの利点を活かして快適車中泊も可能。キャンプモードがあるくらいだしな。
航続距離周りについて
普段は85%で充電を止めるようにしている。5万km走ってる現状において85%での表示上の航続距離は432km程となっている。つまり満充電だと約510kmくらい。
実走行的には体感として満充電で〜450kmといったところだろうか。ただし高速道路を流れに乗って普通に走ったときの話となる。まあ十分だな。
EVと言うと航続距離の話になりがち。大阪-東京を走ると仮定してだいたい550km程あるが、燃費のクソ悪いクルマでない限りICEならだいた無給油で走れるのに対して、確かに1回は充電に止まる必要がある。けど無給油で走れるからと言って休憩せずノンストップなんてこともあるまい。ないよな……?まさか8時間トイレも行かず走り続ける奴が……?安全のために休んだほうがいいぞ……
ICEとは根本から運用の考え方が違って、充電のためにSAに寄るんじゃなくて休憩のついでに充電するってのが感覚として正しい。Teslaの場合はスーパーチャージャー使えばメシを補給している間に充電が終わる。大阪-東京間はいつも必ず浜松SAに寄るので浜松SCで充電している。
場所的に丁度いいんだよな浜松SA、綺麗だし。
ただ一度高速から降りないといけないのが難点、ETC2.0さんなんとかならんか……?2.0のメリットがまるで感じられん。
内装について
なんもない!
ご存知の通り、やりすぎな程のミニマリズムによって色々なものが無い。特にボタン類はステアリングについたマルチファンクションホイール2つとレバー2本、ドアとウインドウのスイッチ、室内灯およびハザードボタン、以上。
あとは15インチのメインモニターですべての操作をする。グローブボックスすらタッチパネルから開ける。そこまでするか?
新型Model3に至っては室内灯とハザードはタッチセンサーになったしステアリングからレバーが消えた。
とはいえ大半は自動化されているためそもそも触る必要がなく、何なら殆どボイスコマンドで制御できるため別に困らない。微妙にクセがあってポンコツ認識することも多いが……
うちには昔からAlexaが居て機械に向かって話すことには慣れているので別になんてことはなかったが、ボイスコマンドに慣れてない人はちょっと大変かもしれない。
コストについて
電気代どれくらいか?という質問はよくされるが環境によって違うから一概には言えん……
体感として距離あたりガソリンの半分くらい。たぶんそれくらいでだいたい合ってる。
エンジンオイルなどは無いので定期的に必要になる消耗品といえばワイパーとエアコンフィルター程度、あとはタイヤくらいなもんで特にない。
強いて言えばカーシャンプーってところか……
純正タイヤはハンコックのVentus S1 evo3 235/40R19で普通に3.5万km余裕だが、工賃含めて4本で20万ほどするのでそれをよしとするかどうか。高いと思うなら適当なアジアンとかを履けば良いと思うが、トルクがデカいので比較的ハイグリップなやつを選んだほうがいいと思う。
1年毎の法定点検はTeslaサービスでやってだいたい4万強くらい。まあそんなもん。
3年間で起こったトラブル
運転席のドアオープンボタンの反応が悪くなったので交換してもらった。
ボタンのスイッチだけ交換するのではなくドア内装まるごと交換していた。そっちのほうがパーツ単体の交換より楽なのはわかるが豪快だな……
保証内のため無料。
オートトランクが途中で止まるようになった。どうやらガスシリンダーのガス抜けが原因らしい。
というわけでガスシリンダー交換、わりと起こる事象らしい。
保証内のため無料。
ドアミラーとルームミラーに自動防眩機能が付いていて夜になると自動的に作動するのだが、運転席側ドアミラーの自動防眩が動かなくなった。暗くて見づらいということで意図的に配線外してキャンセルする人も居たりするが。
原因はよくわからんがミラーがイカレてるということでミラー交換。
保証内のため無料。ちなみにドアミラー1枚あたり1万くらいするようだ。
片側4車線のデカ道路で釘踏んで右リアタイヤがパンクした。キレそう。何故こんな綺麗に刺さるのか理解できない、3万kmほど走ってたため4本全て交換。
次はContinentalのPremiumContact 6にしようかな~とか考えてたのに突発だったので調達が到底間に合わず純正タイヤに交換、工賃含め20万。キレそう。なんだあの釘……
総括
まずEV全般における話だがICEとは根本的に考え方が違うので、ICEと同じ運用をしたい人には向かない。考え方を改める必要あり。
そして恐らく豪雪地帯にも向かない。ヒートポンプ搭載でバッテリーマネジメントが優秀なものの冬場に弱いのは現在のバッテリー技術における限界なのでどうにもならん。
運用がマッチする人には普通に良いクルマで、余裕でメインとして使えて乗ってて楽だし色々な意味で面白い。
ところどころ雑なのは御愛嬌、何故ならアメ車なので。そういうのを笑い飛ばせる人向けではある。
という両極端になるような感じのため誰にでも勧めれるクルマではないが、面白いクルマであることは間違いない。色々な意味で。
あと面白いから選んだだけであってエコがどうとかは知らんのであしからず。
コスパは高いと思うよ。今(2024年4月時点)は円安もあって微妙だが……