Model3のフロントトランクは自動で動かない。別にそれはいい。
一番の問題は閉じる時にエンブレムの左右を押し込んで閉じる必要があること。これがなかなかに手間で、できるだけ両手で左右均等に押し込む必要があるうえにちゃんと押さないとフードが変形してしまう可能性もあるとかいうめんどくさいことがマニュアルに書かれており……
オートフランク程の機能を求めているわけではないが押し込まなくても閉まってほしい。
つまりソフトクローザーを付ければいい!!!
モノを調達
こういうときはアリエクで探すのが一番良い。というかこういうモノがアリエクにあることは知っていたので良さげなfront trunk electric suction lockを購入した。
これは純正ラッチには特に手を加えず、上から被せるように取り付けて引き込む機構を追加するもの。12Vの電源こそ取るがただそれだけで独立して駆動するモノなのでシステム的な接続はない。そのため仮にこれが壊れたとしても純正ラッチの動作に影響はなく、オートフランクのように非常ワイヤーを引き回す必要もない。便利だ。
車両によってバリエーションがあるので間違えないように。
というわけで2021仕様に適合するモノが到着。
機構は至ってシンプル。フックの上にフランクのストライカーが乗ることでスイッチが開放され、モーターがワイヤーを引っ張ってフックが動作、ストライカーを引っ張り込んでラッチに嵌める。動作が終わるとワイヤーが開放されてフックがフリーになるためラッチの動作には何も影響がないというわけだ。
取り付け方法
まずはフランク内部をバラしていきますぞ!
サービスマニュアルに書いてある通りではあるが、まずエプロンとエアダクトとラッチカバーを外す。これらはクリップでハマっているだけなので引っ張るだけでポコポコと取れる。ラッチカバーのセーフティスイッチに繋がっている配線も外しておく。
次に7本のボルトを外す。10mmのソケットで外せるが、2本が少し深い位置にあるので5cm程のエクステンションがあるとよい。ボルトを外せばあとはクリップでハマっているだけなので、こちらもポコポコと外してから引っ張り上げるとストレージユニットがまるごと外れる。そこまで重いものでもないので一人作業でも大丈夫ではある。
外れたらまずはラッチの位置をマーキングしておく。ずれるとたいへん面倒なことになるためだが、だいたいずれるので面倒なことになりがち。準備ができたらラッチを固定しているボルト2本を外し、ソフトクローザーのプレートを被せて元に戻す。ちなみにこのボルトの規定トルクは8Nm。
プレートを取り付けたら次はモーターを固定する。謎に用意された謎のネジ穴がフレームにあるので、付属のM6ボルトを使ってそこにモーターを固定する……んだけど届かねえ!!!!!!!!!!!!!
個体差なんだろうがワイヤーが少し短くて穴に届かない。この程度でショップに問い合わせるのも面倒なので、ホームセンターでいい感じのステーを調達して取り付ける。少しだけ場所は変わるが特に他と干渉はしないので問題なし。
ぽん付けを謳いつつもうまくいかないのはご愛嬌だ。
この段階で一旦仮配線して動作テストを行う。ちなみに調整はわりとシビアで、わりとミリ単位のズレで動かない。
フランクを閉じても動かない場合は、プレート位置が下すぎるのが原因。閉じた時にフックを押せておらず、スイッチを開放できていない状態にあるはずなので、プレートを上にずらす。
動きはするがフランクを引き込めない場合、こちらもプレート位置が下すぎるのが原因。挟み込み防止で負荷が強いと止まるようになっているが、プレート位置が低いとフック回転軸からストライカーまでのの距離が遠いと当然ながら梃子の原理で強いトルクが必要になり、このセーフティが働いてしまっている。なので回転軸とストライカーを近づける(=プレートを上にずらす)必要がある。
動作が良さげなら配線をしっかり整えてもろもろを元に戻す。ちなみにサービスマニュアルに書いてあるがストレージユニットを固定する7本のボルトの規定トルクは5Nm、まあそんなに気にせんでもいいと思うけど。
プラスの接続が地味に大変だった。ターミナルに付けたはいいがカバーが嵌まらなくて……
ストレージユニットを戻す時はラッチカバーに繋ぐ配線を出し忘れないように。
最後にラッチカバーを戻して完了としたかったが、うちの場合はフックがカバーに干渉してしまった。プレートの位置をずらすわけにもいかないのでカバー側をリューターで少し削って回避することにした。結果的に無加工とはいかなかったが、これくらいならまあいいだろう。